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『一帯一路』沿線国の中国映画ファンたち=上

時間:2020-12-31 10:19

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 映画は国際競争における文化面のソフトパワーを代表する芸術表現です。これは、芸術家の思考そのものであり、人類が共に直面する問題への回答でもあります。中国映画はいま、海外で大人気のアクション映画から、リアルな生活を題材にした映画まで、ユニークな芸術的魅力によって大勢の海外ファンを集めています。

 イランの映画監督ラムティン・ラバフィプール氏は、張芸謀(チャン・イーモウ)監督作品『英雄(ヒーロー)』が大好きで、これまで10回は鑑賞したそうです。ラバフィプール監督は、「中国人監督では張芸謀監督と陳凱歌(チェン・カイコー)監督が好きだ。中国映画は、世界でも独特な位置づけにある」と見ています。

 一方で、タイ映画協会の責任者は、「第5世代の中国人監督、例えば張芸謀監督の作品には芸術性と思想性があるが、今の中国映画は過度の商業化の気がある」と評価しています。

 中国映画の翻訳業務に携わるメキシコ学院アジア・アフリカ研究センターのラディナ博士は、長きにわたって唐の時代や楊貴妃の歴史について研究しています。ラディナ博士は2017年12月に上映された映画『妖猫伝』(日本では『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』の題で2018年2月に公開)について強い関心を示し、「映画はフィクションだが、登場人物などは中国の歴史と繋がりがあり、印象的だ」と話しました。

 ラディナ博士は、2006年と2017年の2回にわたって中国映画『洗澡(こころの湯)』を翻訳したことがあり、「この映画は風呂屋を舞台に中国人が持つ『儒』の精神を表現している。1990年代末ごろの北京、激動の時代にあっても人々は楽観的な見方を保っている。多くのメキシコ人がこの映画を好んでいる」と紹介しました。

 1964年、孫悟空の物語『大閙天宮(大暴れ孫悟空)』がアニメ化され、44カ国に輸出され、大ヒットしました。上海国際映画祭金爵賞(Golden Goblet Awards)アニメ部門の審査委員長を務めるフランスのアニメ監督ブノワ・シュー氏は、「映画『大閙天宮』は私が初めて見た中国映画だ。1964年当時はまだ若者だった。この映画を見た私は映画を作る仕事に就くことを決めた。今でも、孫悟空は生命力を持っている。この映画は中国の、ひいては世界のアニメ映画においても重要な作品だと言える」と話しました。(殷、謙)

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